理論計算化学研究室

ウイルスカプシド/
ウイルス粒子のモデリング分子シミュレーション

ウイルスカプシド

ウイルスカプシドの薬剤との相互作用,特にB型肝炎ウイルス(HBV)への薬剤吸着,薬剤によるカプシドの安定化・不安定化に関するシミュレーション技術を開発しています.HBVではRNAを内包したカプシド系のモデリングが必要となり,また全原子モデルを用いた分子動力学シミュレーションでは約800万原子系を扱うことになり,非常に大規模な系を扱う必要が生じます。そのため,京コンピュータなどの大型計算機の利用とその上で高速に動くシミュレータが必須です.さらに,全原子系に基づく階層的粗視化分子モデリングを進め,カプシドのより長時間での振る舞いや安定性の自由エネルギー解析などに取り組んでいます..

 
全原子レベルでモデリングされたHBVカプシド. たんぱく質を灰色、RNAは黄色で表示. SPICA粗視化力場で計算されたポリオウイルスカプシド

ウイルス粒子のモデリング

B型肝炎ウイルス粒子(ビリオン)はエンベロープで囲まれており、エンベロープは3種の膜タンパク(L,M,S)と脂質からなる膜構造を持っています。そのモデリングを行い、ビリオンが細胞に取り込まれる過程(エンド・サイトーシス)を粗視化分子動力学シミュレーションで解明することを目指しています。