マルチスケールモデリングMultiscale Modeling
定量的粗視化分子モデルSPICAの開発
全原子MDでは解析不能な空間時間スケールの検討を分子レベルで行うため、粗視化モデルの開発を続けています。水モデルから着手し、脂質や界面活性剤の粗視化分子モデルは10年ほど前に完成しました。これを現在までに,コロイド粒子、ポリマー、コレステロール、タンパク質、核酸などにモデルライブラリを拡充してきました。開発中の粗視化力場はSPICA力場と命名され、原子力場モデルのシミュレーション結果(構造)や表面・界面物性,溶媒和自由エネルギー,膜弾性などを再現するように系統的なパラメタリングを行ってきました。簡単な関数型を用いたモデルですが,これまでの現象論的なモデルでは不可能であった(半)定量的な議論が粗視化レベルで可能となり,ベシクルのような分子集合体の構造安定性を議論することも可能となりました.詳しくはSPICA力場のページをご覧下さい.
分極力場開発
イオン化した分子を多く含む系では、誘起分極の効果を無視できず、これまで一般に有機分子系で使われてきた汎用力場の精度が悪くなります。分極力場は誘電分極による効果を取り込むモデルであり、我々もリチウムイオン、リチウム硫黄電池などの電解液のモデリングのため、分極力場を使ったモデルパラメータの最適化、プログラミングを行っています。
<< 前のページに戻る